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降りてきた言葉
温泉から帰ってきてからしばらくして、身体中に湿疹ができた。
半日で消えて、また新しく、まだできてないところにあちこち、虫に刺されたように膨れた。
5日ほど続き、いまは治まっている。
調べると、どうも温泉の好転反応らしかった。温泉の本場で、濃い温泉に一日にあれだけ入ったからかもしれない。
眠っていた内臓が正常になる過程で、毒素を排出するために湿疹が出るのだそうだ。
こんなに毒素を蓄えていたのかと、湿疹を見ながら呆然としていた。

湿疹が治まると楽になるかと思ったが、次は気持ちがつらくなった。いままで目を逸らしていた悲しいこと、気を逸らしていたことに光があたり、強がりが解けたのかやっと涙が出た。

一晩泣いて、朝がた、ふいに言葉が降りてきた。

『その悲しみの代わりに、いまの幸せがあることを忘れないように』

大好きな歌を
スタンド・バイ・ミー(ジョン・レノン)
# by fumi-doumyouji | 2012-05-19 02:10 | 日記 | Trackback | Comments(0)
春の花と石鹸作り(その2)

(その2)

道明寺の奥に、八重桜の老木がある。ほとんど朽ちてるように見えるのに、こんなに美しい花を咲かせる。
この日は、境内に誰もいなくて静かだった。
八重桜が咲くことはあまり知られていないかもしれない。
誰が見てなくても、誇り高く生きていたいと思う。



そのころ、友達と二人で石鹸作りをした。
友達はヒノキとハッカを作り、私は薔薇石鹸を試作してみた。
薔薇の精油を使わずに、ローズウッドとゼラニウムという、薔薇の成分と同じ香り成分を持つ精油をブレンドした。そこに、薔薇のドライフラワーをざっくりと入れた。

友達に練り香作りを教えてあげた。蜜蝋を溶かし、好きな香りを自分で選んでブレンドしてもらう。
お~っ♪大成功!って思うほど素敵な香りができた。どんなブレンドだったっけ。とてもうっとりした。
たしか、乳香(フランキンセンス)とローズマリーとイランイランを少しだったかな。メモしておけば良かった!




一ヶ月の熟成期間が過ぎてることに、最近、気がついた。
牛乳パックに入れたままなおして、忘れていた。この一ヶ月、精神的にギリギリなほど忙しかったんだと思う。

取り出して切ってみた。
甘い甘い薔薇の香りがする。
ドライフラワー、入れすぎたかも(笑)




いま、緑が一番きれいなときだ。
# by fumi-doumyouji | 2012-05-19 01:45 | 日記 | Trackback | Comments(0)
春の花と石鹸作り(その1)
(その1)

この春の初めに梅が咲いて、桜が咲く、そのあいだに大好きな雪柳が咲いた。
道明寺の横にある東高野街道という旧街道沿いに、ゆったりと咲いていた。




そのころに、ポップスバンドのメンバーでうちに集まって、恒例になった石鹸作りをした。
精油は吉野ヒノキと北見ハッカ。主になるオイルは椿油と米油。
美しい赤色は、脱色前のパーム油。カロチンの色らしい。



最近、バンド活動していない。練習も。
秋の小学校のお祭り前になるとソワソワするんだけど。
演奏したら、けっこう聴かせるなかなか楽しいバンドだと思う。夏のふじいでらの祭りなんかに出てもいいね。
それぞれが忙しくて、あっという間に日が過ぎてしまう。



石鹸作りは彼女たちにとって、癒しの時間みたい。楽しむって素敵なことだなと思う。
私もたくさんの元気をもらう。



またバンドをしよう。
石鹸もいいけども(笑)

つづく
# by fumi-doumyouji | 2012-05-19 01:25 | 日記 | Trackback | Comments(0)
再読

フェイスブックに入ってすごく嬉しいのは、大学時代のオーケストラの友人(とくに後輩が多い)と再会できたことだ。
懐かしい、どうしてるだろうと思いながら、どこかで元気にしてるんだろうなと思うことしかできなかったから。
大学時代も私は京都から大阪まで帰らないといけなくて、ゆっくり話してる時間がなかったから、もっと話したかったなとずっと思ってた。

昨年、当時のオーケストラを舞台にした作品を書いた。
100枚弱なのを書き直して300枚にする前に、再会した記念に後輩たちが読んでくれることになった。
本当に嬉しい。

それで印刷して再読してみた。
いままでじっくり読みこもうとしても軽く流すことしかできなかった。
欠点が見えると目を閉じたくなるし、また逆に、どうしてこんな面白いの書けたんだろう、もう無理だと思ったり。
書いてるときの私は別人で、どこかから言葉が流れてくる。ストーリーも書いてるあいだに生まれてくる。
推敲なしで応募したなんて、ふざけてるなあと思う。最低三回は書き直さないと。

いろいろ思いながら、じっくり再読した。
恥ずかしい。むちゃ下手くそ。でも上手いとも思う。あと少し。ここは焦りすぎ。青いなあ、なんだこれ。
顔が赤くなる。
よく一次通過したなあ。
この作品、もっと良くなる部分があると思った。
あきらめるなという意味で通してもらえたのかもしれない。

こんな作品だけど、新たな読み手がいてくれることに感謝…。

恥ずかしいなぁ、ラブシーン。
# by fumi-doumyouji | 2012-05-17 02:47 | 日記 | Trackback | Comments(0)
母のキャラブキ

実家の母から、手製のキャラブキが送られてきた。
手紙に、「忙しくしてることでしょう」と書かれてあるのを読んで、ゴールデンウィークに私が帰るのを、待ってくれてたのかもしれないと思って胸が痛んだ。

父も母も、私に帰っておいでと言わないし、電話してもいつも社交ダンスの練習に忙しそうだから、帰らなくても二人で楽しんでるだろうと思って、気にしていなかった。今年は演奏会にも呼ばなかったし、一人で別府に行っていた。


昨年は、子供たちがキャンプに行っている間、ゆっくり実家に帰った記憶がある。
そのとき父が「おかん、また千林で、フキようさん買うてきよってからに」と笑い、母は冷蔵庫からキャラブキを山ほど出して私に見せた。
美味しそうと私が言うと、作った分のほとんどを袋に入れてくれた。「持って帰り持って帰り」と。

便箋を出してきて、手紙を書いた。キャラブキを送ってくれたお礼と、子供たちや家族が元気でいること、それから一人で別府に行ってきたこと。
父も母もあきれ、そして笑ってくれてるだろう。

千林商店街は物が安いので、母は自転車に積みきれないほどたくさん買ってくる。
「こんだけで、いくらやったと思う?」と私に嬉しそうに言う。
横から、「いつもこれやから。俺らで食べきらん。そやのに、買うてきよる」と、父も嬉しそうに言う。

今度、休みを見つけて、ちゃんと帰ろう。

ゴールデンウィークに夫が友人と掘ってきたタケノコを、茹でてタケノコご飯を作った。
その上に、山椒のきいた母のキャラブキをのせた。
千林の春の香りがした。

# by fumi-doumyouji | 2012-05-16 03:54 | 日記 | Trackback | Comments(0)
アロマディフューザー

先日、ずっと欲しかったアロマディフューザーを買った。ライト付きだ。
ディフューザーがなくても、アロマランプや、ウォーマー、素焼きの石など、精油の香りを部屋に漂わせる道具は持っていた。
ディフューザーになかなか手が出なかったのは、上のようにすでに方法があったのと、値段がちょっと高いのと、それから超音波を使うことが気になっていたからだった。
超音波で水蒸気のように噴射させるのだけど、それだと香りの波動が変わるんじゃないかと、そんな心配をしていた。なんという変なこだわり。
宝石屋さんに行ったときも、「そのネックレスの石、超音波洗浄器で綺麗にしましょうか」と言われても、断っていた。超音波で天然石の波動が変わるのが嫌で。そんなに気になるなら、家に帰ってから水で洗ったり粗塩に埋めればいいのだけど、「いえ、結構です」と頑なに断るので、怪訝な顔をされたものだった。
真っ黒なスモーキークォーツや真っ青なトパーズは人口の放射線を当てられてると思い、でもそんなこと口では言えなくて困っていた。宝石店で仕事をするのが夢だったときもあるが、こんな感じだから無理。

そういえば、アロマセラピストの樂さんは、アロマランプによって香りを拡散させる方法は、熱によって香りの質が変わるからと、熱系は苦手だとおっしゃっていた。本気のこだわり。
また、柑橘系のベルガモットなどは太陽に当たるとシミになったりするので、その光毒性の成分を抜いてるベルガプテンフリーというのも売っているが、樂さんは、天然の成分はバランスを保ってるものだから、成分を部分的に抜いてあるのは好きではなさそうだった。私も、良いも悪いも含めてバランスがあることに同感だった。

話を戻して、私は香り成分の波動が変わるのが気になるという妙なこだわりがあったけど、実証されてるわけではなく、それより別府温泉に行ってから「湯けむり」らしきものを見ると血が騒ぎ、小さなこだわりはどうでもよくなって、とうとうアロマディフューザーを手に入れたのだった。

水溶性の天然精油で、幸せな気分になるもの、ラブな気分、ストレスを和らげるものなど、すでにブレンドされたものを何種類か用意した。
最初はウキウキだったが、時間が経つにつれて、どうもブレンドの香りが私に合わない気がした。やはり、シングルをいくつか買って自分で合わし、これというのを見つけるのが良いかもしれない。

シングルのものを買いに行こうと思っていると、さきに花の蕾が開いた。
アロマディフューザーは、しばらくお休みになり、ランプ役をしてもらうことになった。
生花にはかなわない。とくにカサブランカの、甘くて高貴な香りには。
# by fumi-doumyouji | 2012-05-16 03:00 | 日記 | Trackback | Comments(0)
結婚記念日

今日は結婚記念日。17年経った。

いつも仲が良さそうと言われる。実際は、どこの夫婦もそうだと思うけど、ひとことで言いきれない課題もある。

別れずになんとか17年続けてこれたのは、こんな生意気で勝手な私に夫が変わらない、穏やかで静かな気持ちを持ってくれたからだと思う。

10周年のとき夫は1995年のワインを探して見つからず、1900円のワインを買ってきて、消費税入れて1995円と打たれた領収書を嬉しそうに私に見せた。

今年は、「河内の人になったから」と買ってきてくれた。

この地域に、この家に、河内の夫にいつの間にか馴染んでいる。
# by fumi-doumyouji | 2012-05-14 22:36 | 日記 | Trackback | Comments(4)
別府一人旅(その4)

帰るときがきた。
朝の7時に到着して、夕方の7時30分に出航。



海から見る別府の夜景。
温泉地のあたたかい灯りが美しかった。
夜の別府も過ごしてみたくなった。次にくるときは、一泊したい。




温泉に入りすぎたせいか、ものすごい眠気が襲ってきて、出航後すぐに眠りについた。
しばらくして目を開けると、部屋は暗く、多くの寝息が聞こえた。
お風呂に入り、ラウンジで本を読み、ふたたび眠った。
深い眠りだったのだろう、朝方、とても気持ちがよくて微笑みながら起きた。家の中だと勘違いして、まわりに人がいっぱいいて驚いた。
24人部屋。朝の7時。大阪に着いて、すべての人が出て行ったあと、写真を一枚撮った。



船から降りて、人々はすぐに駅に向かっていった。
大阪のトレードセンターは、まだ一日が始まっておらず、人もいなくて閉店前で静かだった。

別府の一人旅は、船の旅でもあったと思う。
一人で黙っていると、誰も話しかけてはこず、こちらから話しかけると誰もが優しかった。
船の上は、限られた空間だからこそ、豊かな気持ちになれた。一つ一つの出来事、たとえば売店で珈琲を買うときですらも心が喜んだ。人とのちょっとした会話に嬉しくなった。
一人でいることがありがたかった。自分自身とたくさん会話することができたようだ。

船のチケットはネットで簡単に予約できる。
さんふらわぁの船旅

以前に、船旅している歌を作詞作曲したことがあった。
高校同窓の芋づるという有志のMLグループに参加していた。多くの友達と出会い、とても楽しく過ごしていた。
この歌を作ったときは、ずっとその関係が続くものだと思っていた。同時に、心のどこかで、もう船を降りるときがきたことを知っていたと思う。
現実には、私は目的地の港で、降りなければならなかった。
降りたことでいろんな痛みがあった。誰にも言わず飲み込んでいることもたくさんあった。新しい港ではやるべきことが次々にあって、がむしゃらに生きた。振り返ると、船はずいぶん遠いところにあった。
勝手な私なのに今でも友達でいてくれる人たちがいる。また、遠くに離れてしまった人たちもいる。もう同じ船に乗り合わすこともないだろう。が、どこかで繋がっているような気がしている。

コスモシップ芋づる号(2007年。作詞・作曲・演奏・歌 道明寺史)
(ダウンロード→開く、で聴けます。よかったら・・・)

わけもなく寂しい夜がある わけもなく悲しい夜だって
ひたすらに生きれば生きるほど 傷つくことも増えてゆく
はるか遠いむかしに約束して 同じ船にのり やっと出逢えた君
笑いあったりケンカをしたり たしかなぬくもり感じあいたい
さぁ行こう芋づる号 どこまでも みんなの夢をのせてユラユラ

ときには ふいに密やかな恋が生まれ そして別離を選ぶ日もくるだろう
愛すればこそ流れる 涙よ輝く星になれ
さぁ行こう芋づる号 どこまでも みんなの夢をのせてユラユラ

はるか遠いむかしに約束して 同じ船にのり やっと出逢えた君
笑いあったりケンカをしたり たしかなぬくもり感じあいたい
さぁ行こう芋づる号 どこまでも みんなの夢をのせてユラユラ
さぁ行こう芋づる号 どこまでも 宇宙の果てまでユラユラ
# by fumi-doumyouji | 2012-05-13 23:13 | 日記 | Trackback | Comments(0)
別府一人旅(その3)

鉄輪温泉(リンク)

鉄輪温泉には、あちこちに共同温泉がある。地元の人たちの会費で成り立っていて、観光客は百円で入らせていただける。
渋の湯、という古い温泉に入った。
地元の人らしい老婦人が入っていた。挨拶をする。優しくされたが観光客に対する厳しい瞳を感じて、少々緊張した。歓迎と尊厳とが入り混じったような。
温泉を粗末にしてはいけないんだと感じた。ここは聖地なんだと思った。
不思議と石鹸は使う気にはならず、石鹸を使う場所でもないのだと知った。



ゆったりとした湯の道は、歩いていて気持ちが良かった。
若いころは、一人旅のとき、町の中を一日かけて歩いた。歩いて歩いて、その町に馴染んでいくのが好きだった。今回は別府日帰りのため、それはかなわなかったが、わずかなこの時間に旅情を感じることができた。
次に入った地獄原温泉。HPにはぬるい湯とあるが、私には熱かった。別府の熱い湯はほんとに熱い。竹瓦温泉の砂湯のあとの湯は、到底入れるものじゃなかった。


渋の湯
地獄原温泉


観海寺温泉、いちのいで会館(リンク)

別府温泉旅の最後は、いちのいで会館に行った。
建物は普通なのに、温泉場所の案内は、外を出て歩いて行ってくださいとのこと。
温泉の入り口で絶句。この奥に一人で行けと。



嬉しさと不安。



あんなところに・・・。



誰もいない、貸切状態。写真を撮らせていただいた。


滝が流れ、遠くに町と海が見えた。
温泉の色がとても美しかった。
浸かりながら、目を閉じて深呼吸をした。
つづく
# by fumi-doumyouji | 2012-05-11 15:53 | 日記 | Trackback | Comments(0)
別府一人旅(その2)

竹瓦温泉(リンク)

別府に到着して最初に行ったのが、別府駅から近くの竹瓦温泉。
ここの砂湯を体験した。

船でほとんど眠ってないまま朝の八時。ボンヤリした頭で、高い天井を見ながら重くて熱い砂をかけられてると、「ここはどこだ」と思った。
強い硫黄の匂い、下腹部にひびく砂の重さ、木造の古い天井。日本でもなくて外国でもない気がした。
「別府だ・・・」と思った。ここは別府なんだ、温泉の町なんだと。



別府温泉保養ランド(リンク)

バスに乗り、明礬温泉に向かった。立命館アジア太平洋大学の学生さんたちの通学時間と重なって、バスの中は若く賑やかだった。
別府保養ランドの入り口は、小さな古い建物のような気がした。ところが、入ると奥の奥まで板張りが続いていて、さらに奥に奥に通路があって、広い。いったいどこまで行くのやら。
硫黄コロイド温泉というのに入った。硫黄の匂いが頂点に。くらくらするほど。気持ちよかった。
蒸し湯もあるというので、カーテンを開いて歩き、さらにカーテンを開いて進んだら入り口があった。湯気でまったく何も見えない。思いきり蒸された。
隣に座る人と話をした。東京に住んでいて、実家がこのあたりという。
「ここが一番よ」とその人は言った。あとはどこそこが良いと、いろいろ情報を教えてもらった。

蒸し湯から出て、泥湯に向かって歩こうとしてカーテンを開いた。すると、裸の男性と鉢合わせした。ぎょっとした。混浴があると聞いていたが、道が合流するなんて。
でも、挨拶してしまった。そしてすぐに隠れた。喉の奥がぜいぜい言ってた。
「信じられへん信じられへん」唱えるように口走った。近くの若い女の子たちが、面白そうに笑ったので、私もやっと笑った。

泥湯は入り口が女性専用になっていて、入ったままゆっくり外へ歩いていくと、混浴になっていた。
芋の子状態の混浴だった。若い人からお年寄りまで。そこまでいくと、恥ずかしくなくなった。
男性は外をまわって入らないといけなくて、混浴と知らない人はタオルで隠さずブラブラ歩き、入るときになって「うわっ、混浴だった」という顔をした。
女性は、美容のために顔に泥をきれいに塗っていた。私も知り合った女の人たちと泥を塗りあって楽しんだ。男性は、なんとなくそわそわしてた。

坊主地獄(リンク)

鉄輪温泉で、地獄巡りの坊主地獄を覗いてみた。
爆発したところの跡や、蒸気が噴きあがってるところがあった。



ようやくお昼。
名物のとり天をいただいた。ポン酢で。おいしかった。
それから大分の焼酎「二階堂」。こんなにたくさん飲めなくて、ちょっとだけにした。

つづく
# by fumi-doumyouji | 2012-05-11 02:44 | 日記 | Trackback | Comments(0)
別府一人旅(その1)

5月3日から5日まで、二泊三日の旅に行ってきた。船二泊、現地宿泊なしの弾丸ツアーだった。
写真は船出のとき。

ゆっくり進みはじめた船。甲板のベンチでお弁当を食べた。
隣が空いていたが、誰かが雑誌を置いていた。『大人のバイク一人旅』と書かれてある。雑誌の横にワイン。
九州でひとりバイクを飛ばすんだろうな、大人なんだ、そして今夜一人でワインを一本あける。素敵だなぁと思った。
持ち主が戻ってきた。二十五歳ぐらいだろうか、大柄でワイルドな男の子だった。




船に乗ってからは、子供のように探検した。
一階は車庫、二階がレストランやお風呂お土産、それから相部屋のベッド。三階が雑魚寝部屋や特別室。
階段を見上げながら、タイタニックならここに彼が立ってるんだなぁと思った。別府の町の写真。それもいい。




相部屋のベッドで荷物を解いていると、すぐに明石海峡大橋を通過する案内があった。
甲板に出て驚いた。海風がすごかった。とっても寒くて。
橋の下を通る瞬間って、感動する。



瀬戸大橋を通過するときは、夜も十一時を過ぎて、甲板に出てる人が少なかった。
大学卒業するとき、オーケストラの同期がそろって、九州まで船旅に出た。この橋を過ぎるとき、みんなで歓声を上げた。
卒業してもいつでも会えると思ってたのに、気がついたら二十年以上も会わずに過ぎていた。私の中の彼らはずっと大学生のまま。
橋が過ぎても、あのときと同じように、小さくなるまで見ていた。

ふとまわりをみると、甲板に一人きりになっていた。空の雲がぽっかり開いて、星の屑が落ちてきそうだった。寒いのと怖い気持ちで震えたけど、大海に独りでいることを感じていたかった。



部屋の外には、テーブルやソファがあり、大部屋で眠れない人が本を読んだり、小さく話したりしていた。
深夜に珈琲を飲んでるとき、船旅っていいと、しみじみ思った。

相部屋ベッドの人たちは、帰省の人が多いのか、誰もウキウキと甲板に出て行こうとせず、カーテンを閉めて静かだった。私は一段目にいたが、上からは物音もなくて、いつ見てもカーテンがしっかり閉じたままだった。
朝になってしばらくしても開かないので、さすがに心配になり、受付に言いにいった。
係りの人は、「最近は荷物を置いて、ロビーで携帯などして朝まで過ごす人が多いのですよ」と、私を安心させるような優しい口調で言った。
そうか、荷物しか置いてないんだ。そう思おう、と納得して部屋に戻ると、カーテンがザッと初めて開いた。学生風の女の子。荷造り終えてさっぱりした格好してた。ずっといたんだそこに。
# by fumi-doumyouji | 2012-05-11 01:59 | 日記 | Trackback | Comments(0)
湯けむり

日帰り別府ひとり旅、楽しかった。
町のあちこちに、こんな風景が。
地面の隙間からも、湯けむりが登っていた。
ゆったりとしたレトロな町。
バスは立命館アジア太平洋大学の学生さんたちで賑わっていた。

旅の思い出写真は後ほど。
# by fumi-doumyouji | 2012-05-05 15:54 | 日記 | Trackback | Comments(0)
瀬戸大橋

瀬戸大橋を通過した。
風が強くて寒かったけど、大きくて感動した。

いま、静かなラウンジで珈琲を飲んでいる。

行きは相部屋ベッド。帰りは相部屋ツーリスト(雑魚寝)。レディース部屋なので気兼ねなく。
船は楽しい。

# by fumi-doumyouji | 2012-05-04 00:28 | 日記 | Trackback | Comments(0)
まもなく出航

船旅のはじまり
ドキドキしてる

九州に行ってきます

サンフラワーにて
# by fumi-doumyouji | 2012-05-03 18:57 | 日記 | Trackback | Comments(2)
秘めた恋

演奏会が終わって、先日、四天王寺の古本市に行った。
直木三十五記念館の事務局されてる方と知り合いになり、その人が古本市を紹介してくださった。

雨降りで、テントの中の空気がしっとりしてた。
古本がひしめき、人がいない場所に、この本を見つけた。
『向田邦子~恋のすべて』
向田邦子について書かれたエッセイ。それほど古い本ではない。新刊のように綺麗だった。

向田さんが飛行機事故で亡くなって、マンションの隠し押し入れの中から茶封筒が見つかった。
それは、愛する人との書簡だった。
向田さんは生前、男の影を誰にも見せなかった。でも作品には誰かを感じさせるものがあった。

今夜から一人旅に出るけど、この本も連れていこう。

誰にでも、ひとつだけ、そんな恋があるものだと思う。
何年たっても、笑って会うことなどできなくて、決して帰ることもできない。

平原綾香の『明日』を聴いている。
http://www.youtube.com/watch?v=eYPV-rB50sE&sns=em
# by fumi-doumyouji | 2012-05-03 05:35 | 日記 | Trackback | Comments(0)
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